更新日:2026年7月28日
ベトナム会社設立では、申請書を作る前に、事業内容、外資比率、法人形態、所在地、資本金、必要ライセンスを整理する必要があります。企業登録証を取得しても、条件付き事業の許認可や銀行・税務・労務の準備が終わらなければ、予定した事業を開始できない場合があります。
2026年のベトナム会社設立で最初に確認すること
2026年3月1日に投資法143/2025/QH15が施行され、外国投資家による経済組織の設立と投資プロジェクト手続きの枠組みが変更されています。一部の条件付き事業リストに関する規定は2026年7月1日から施行されています。
実際の手続きは、外国投資家が新会社を設立するのか、既存会社へ出資するのか、投資プロジェクトや投資方針承認が必要かによって分かれます。過去の「必ずIRCの後にERC」という説明をそのまま使わず、最新制度に基づいて案件ごとの順序を確認してください。
政府決議66.17/2026/NQ-CPにより、2026年7月1日から2027年2月28日まで、条件付き事業分野のリストは198分野から142分野へ一時的に整理されています。ただし、リストから外れたことだけで技術基準、外資市場参入条件、業種別規制が全てなくなるとは限りません。
また、2025年の企業法改正と政令168/2025/NĐ-CPにより、企業登録で実質的支配者に関する情報を準備する必要があります。直接の株主だけでなく、所有構造と支配関係を設立前に確認します。
ベトナム会社設立の手順
- 事業内容と外資規制の確認:予定する商品・サービス、顧客、販売方法、外資比率、市場参入条件を整理します。
- 法人形態の選択:一人有限責任会社、二人以上有限責任会社、株式会社などから、出資者数と意思決定方法に合わせて選びます。
- 資本金・投資計画の作成:初期投資、固定費、採用、設備、売上開始までの運転資金を積み上げます。
- 所在地の確保:本店として使用可能な物件か、事業ライセンスの要件を満たすかを確認します。
- 投資・企業登録手続き:案件に必要な投資関連手続きと企業登録を、最新の順序で進めます。
- 資本金の払込:銀行口座と送金経路を整え、登録内容と期限に沿って出資します。
- 追加ライセンス:条件付き事業の場合、営業開始前に必要な許可・証明・届出を完了します。
- 設立後の稼働準備:税務、電子インボイス、会計、労働登録、社会保険、給与、社内規程を整えます。
主な必要書類
| 区分 | 主な書類・情報 |
|---|---|
| 法人出資者 | 登記証明、定款、代表者・署名者情報、社内決議、財務能力資料 |
| 個人出資者 | パスポート、住所、連絡先、財務能力資料 |
| 事業計画 | 事業目的、商品・サービス、投資額、資金計画、採用計画、売上計画 |
| 所在地 | 賃貸借関連書類、貸主・物件の法的資料、使用目的の確認資料 |
| 会社情報 | 会社名、法人形態、資本金、法定代表者、管理体制、事業年度 |
海外で発行された書類は、案件に応じて認証、合法化、公証、ベトナム語翻訳が必要です。書類の有効期限と記載の一致を早めに確認します。
会社設立にかかる期間
企業登録の審査には、有効な書類を受領してから3営業日とされる手続きがあります。しかし、これは全体期間ではありません。準備、翻訳・認証、所在地確認、外資規制、投資手続き、補正、追加ライセンス、銀行・税務設定に別の期間がかかります。
| 工程 | 期間を左右する要因 |
|---|---|
| 事前調査 | 事業範囲、外資比率、市場参入条件、所在地 |
| 書類準備 | 出資者数、発行国、認証・翻訳、財務資料 |
| 登録・投資手続き | 投資方針承認、プロジェクト、当局照会、書類補正 |
| 追加ライセンス | 業種、施設、人員資格、設備検査 |
| 稼働準備 | 口座、出資、税務、請求、会計、採用、給与 |
したがって、固定の「最短○日」を前提に開業日を決めるのではなく、初回調査後に工程表を作り、登録完了日と営業開始可能日を分けて管理するのが安全です。
会社設立にかかる費用
費用は、支援報酬と実費を分けて比較します。ワコンチェが現在公開している会社設立の参考支援費用は4,000 USDからです(2026年7月28日現在)。基本ヒアリング、申請範囲の整理、必要書類案内、登録手続き支援を想定した参考価格で、正式料金は案件ごとの見積書を優先します。
| 費用区分 | 内容 |
|---|---|
| 設立支援報酬 | 事前調査、申請設計、必要書類案内、登録手続き支援 |
| 行政・書類実費 | 行政費用、翻訳、公証、認証・合法化、郵送 |
| 所在地関連 | オフィス、保証金、施設要件への対応 |
| 追加ライセンス | 業種別許可、証明、検査、専門家費用 |
| 設立後費用 | 銀行、会計、税務、監査、給与、社会保険、労務 |
設立後に忘れやすい実務
- 資本金の払込期限と銀行証憑の保存
- 会計方針、勘定科目、証憑フローの整備
- 電子インボイスと契約・請求プロセス
- 税務申告、法定監査、投資報告などのカレンダー
- 雇用契約、就業規則、労働登録、社会保険、給与計算
- 法定代表者、印章、銀行、電子署名の権限管理
よくある質問
日本法人が100%出資できますか
多くの分野で検討できますが、事業分野ごとの市場参入条件、外資比率、追加ライセンスを確認する必要があります。
バーチャルオフィスで設立できますか
所在地として利用できるかは物件の法的用途と事業内容によります。ライセンスや施設要件がある事業では、登記だけでなく実際の使用条件も確認します。
登録完了後すぐに請求・採用できますか
必ずしもそうではありません。銀行、税務、電子インボイス、追加ライセンス、労務体制など、予定する取引・採用に必要な稼働準備を完了させます。
参考情報
- 投資法143/2025/QH15
- 政令168/2025/NĐ-CP(企業登録)
- 企業法59/2020/QH14
- 決議66.17/2026/NQ-CP(条件付き事業分野)
- 外国企業の会社設立手続き・必要書類(JETRO)