おにぎりの試作
忍者カフェの主戦力は日本伝統のおにぎりである。ベトナムのコンビニでもおにぎりが売っているが、つめたくてカチカチのものがほとんどである。そんな、ベトナムで本物のおにぎりを売り、将来は東南アジア全域におにぎりを広めたいと考えている。
おにぎりを試作する上で一番苦労するのが、材料調達だ。日本であれば美味しいふっくらご飯とパリパリの海苔がスーパーやコンビニでも手に入る。しかし、やはり海外。ふっくら炊き上がるお米は少なく、パサパサパラパラの細長~いお米が主流で、おにぎりに適したお米は少々値が張る。海苔に関しても、韓国ふうのうすーい海苔はたくさん並んでいるが、寿司やおにぎりで多用されるのりは種類が少ない。また、想像以上に高価である。おにぎり一つの原価半分くらいが海苔の費用であると説明すると想像しやすいかもしれない。
また、具についても日本そのままでは、受け入れられない。観光客や、外国人向けの店ではないため、現地のベトナム人向けの人気メニューを作る必要がある。味は濃いめに。外見を華やかに。ベジタリアンの人も安心して口にできるグローバルメニューが必要である。そう考えると、海外進出している日系の飲食店のメニューはよく考えられていると思う。そんなことも踏まえ試作品を作る。
試作する具材のメニューは以下の通りである。
唐揚げ
豚キムチ
鶏そぼろ
鳥の照り焼き
からし空芯菜(空芯菜とは日本で言えば、ほうれん草のようなベトナム人のソウルベジタブルである。)
エビ混ぜご飯
ごま塩
スーパーで買ってきた謎の惣菜
日本で一般的な「うめ」や「鮭」などがないのは、原価の問題や、ベトナム人の好みに合わせたためである。鳥系のメニューが多いが、鶏肉はベトナムで一般的で比較的安価、加工しやすいからである。日本らしくベトナム向けにこの鳥系メニューを中心としてアレンジしていこうと考えた。
試作の結果は、唐揚げ、そこそこの仕上がり。ころもが少し多すぎた。豚キムチ、安定の豚キムチという感じ。混ぜるだけなので、パートタイムジョバーの人もマニュアル通りに作ってくれると予想。照り焼き、料理が得意なゆうやさんにより日本を思い出させる懐かしの味が完成した。からし高菜、実際には高菜を使っていないが、かなり再現できた。イメージ的にはビールが欲しくなるような味。ご飯との相性も良い。エビ混ぜご飯、干しエビを使ったためかエビの存在感が少し足りない。改良が必要である。ごま塩、原価的には、かなり優秀であるが、エビ同様見た目と味にインパクトがもう少し欲しいと感じた。
謎の惣菜、スーパーの惣菜のクオリティは世界共通な気がした。安定のご飯のお供という感じで、手抜きではあるが、現地化したおにぎりが提供できそうである。以上がこの日製作した試作品であるが、試食は日本人のみで行った。ここから改良を進めていく見通しである。